③【運命の出会い -1-】
ある日、私たち夫婦と長女、それから仲良しのノンちゃんを連れて、木崎湖キャンプ場へ出かけたときのこと。
二人が散歩から戻ってきて、「あっちの方に変わったテントがあったよ!」と教えてくれました。湖畔を見渡すと、たしかに見たことのない、不思議な形のテントが。
気になった私は、さっそく偵察へ向かいました。ちょうど設営していた青年に声をかけてみると、「これは、ドイツのメーカーに特注して作ってもらった“ベイカーテント”なんです」と教えてくれました。
そのテントは、コットン製で、立方体と台形を組み合わせたようなユニークなデザイン。木製ポールを使った、素朴で温かみのあ
るたたずまいに、私は一目で心を奪われてしまいました。
「自分でも、こんなテント作れたらいいよね」青年とそんな話をしながら、頭の中はすっかり自作テントのことでいっぱいでした。